土曜日の討論会で、農業問題についても議論がありました。
「農協と農地法(農業委員会)」…
これが農業問題のセンターピンだと思ったのですが、
それを管轄する農水省が、やはり一番の問題のようですね…
朝日新聞「福島が問う政府」は、必読です!(「続きを読む」以下に掲載)
農水省が、いかに国民感覚とかけ離れているか…象徴の様な事例だと思います。
(アンチの人風にいえば【拡散希望!】って感じですかね)
(引用)
10月1日朝日新聞(大阪)7面「福島が問う政府」は良い記事(「続きを読む」以下に掲載)。なぜ大阪都構想で僕が府庁市役所の再編にこだわるのかにも通じる。大阪の自民党は、まだこの点全く理解がない。組織を再編することにどんな意味があるの?と言い続けている。議員は、政府に入らない限り、行政組織の外から意見を言うだけ
国会議員も政府に入らない限り、行政組織のマネジメントなど全く分からない。政治家は政策を作ることが全てだと思っているが一番重要なことは政策をどう実現・実行するか。実現・実行するのは行政組織である。維新の会の公開会議でも、震災復興策をしっかり作るべきだ!という声が国会議員から上がった
震災復興策はもう出し尽くされている。あとはそれをどう実現・実行するかだ。これは行政組織マネジメント。10月1日朝日7面の記事は、行政組織が機能していないことを端的に表している。解決策は、復興策を作り直すことではない。権限と責任の所在を明確化し、組織を機能させること。
復興担当大臣に、岩手県、宮城県、福島県の知事(合議体で難しければ誰かを長に選ぶ)に就いてもらう。金だけ国が確保して、あとは地方に権限を渡す。その代り責任も負ってもらう。復興に際して、法律改正が必要なら、特別法の形でも良いので、岩手県・宮城県・福島県知事が主導して法律改正する。
朝日7面の記事を読むと、霞が関の官僚が、日本全体の価値観や法体系を盾に、被災地からの声を遮る。この場合、責任者が不明になる。地方は国が言うことを聞いてくれなかったと言い訳を言い、国の役人は住民から直接責任を問われないので自分の価値観、日本の法体系でもって判断する。
国の主張、地方の主張がぶつかり合った時に、どちらに決定権と責任を委ねるのかを決めるのが、トップ・権力者の最大の仕事。授権だ。復興策を練ることはもう良い。必要なことは行政組織を機能させること。被災地の知事を復興担当大臣に兼務させ、県庁職員や霞が関職員は知事兼大臣をサポート。
地方の役所と国の役所の見解がぶつかったときには、被災地の観点より被災地知事が大臣として判断・決定。その代り被災地に責任を負ってもらう。金は国が確保。復興策はもう良い。復興のためには国家運営としての人事が必要。これをやるのが政治の最大の仕事。被災地知事を復興担当大臣に就かせるべきだ
被災地知事が復興担当大臣に就けば、県庁職員、霞が関職員をシャッフルしてベストの復興担当行政組織体制を作ることができる。行政組織体制が重要。組織内においてもそれぞれ決定権者を置く。地方の言い分と国の言い分がぶつかったときには、まずは組織内で決定できるようにする。
何でもかんでもトップに上がってきたら仕事にならない。一つの組織内なら、いろんな意見がぶつかっても、決定権者が決定できる。ここが重要。復興に際しても、地方と国の役所組織を融合すべき。そのためには、復興担当大臣に被災地知事が就き、県庁職員、霞が関職員を統括する立場に就くべきだ。
大阪都構想も同じ。市役所と府庁が連携すれば良いと言うのは、行政組織をマネジメントしたことのない議員が言う意見。行政が機能するためには、組織内の各階層で決定権者が明確化していなければならない。市役所、府庁で同格ポストが並立すれば決定できない。府市の組織を一本化するのが大阪都構想。
いえ、やっぱり被災地知事が大臣です RT @higenodennka55: @t_ishin 各県知事が副大臣となるのは?復興担当大臣をサポート各副大臣の下に中央から官僚を送り実働部隊として動かす。
(橋下氏 twilogより)
(引用)
「農地を領地だと思っている」〈限界にっぽん〉■福島が問う政府:6
細い山道を上っていくと、森にわずかに視界が開けた。牧草地らしいが、牛の姿はない。胸の高さまで雑草が生い茂る。
福島県川内村は、こうした耕作放棄状態の牧草地をメガソーラー(大規模な太陽光発電所)の用地にする計画を温めてきた。ドイツ政府などの寄付が縁となって、ドイツのエネルギー会社「エコセンターNRW社」が進出を打診してきたからだ。村がもつ牧草地を提供することにし、3月、両者の間で基本合意した。
建設費用は向こう持ち、地元には地代と売電収入の一部が落ちるという。遠藤雄幸村長にとって復興の一助になる「渡りに船」の案だった。さっそく村内6カ所の牧草地を候補地に考えた。多くが「木が生えて森林化した」(村長)ところだ。農地だったところを農業以外の目的で使うことができるようにする「農地転用」は難しいと知っていたが、東日本大震災からの復興を促す「特区法」は、復興に必要なら簡略化された手続きで転用を認める緩和策を打ち出していた。だから、できると思っていた。
村の東側は、福島第一原発から半径20キロ圏の警戒区域に指定され、3千人の村民は避難を指示された。今年1月に帰村宣言し、4月に警戒区域が解除されたが、戻った人は750人だけだ。39戸の畜産農家は7戸になり、300頭を超えた牛は100頭に減った。牧草地は300ヘクタールもあるが、放射能汚染を恐れて牧草の代わりに購入した飼料をエサにしている。
村長が耳を疑ったのはこの夏、復興庁との協議の席上だった。「牧草地の転用はできません。復興特区法で農地転用できるのは、津波被害を受けたところだけです」。そう復興庁の官僚が告げた。川内村は放射能被害を被ったが、内陸部のため津波被害は受けていない。対象外というのだ。
「霞が関はまったく現場がわかっていない。仮に除染しても担い手農家がいないのに……」。せっかくドイツの会社が進出すると言ってくれたのに、復興の青写真が遠のいてゆく。
■農水省との折衝延々
津波被害を受けた広野町でも農地転用が進まず「復興」が宙に浮いている。
住民が約400人に減った広野町には、原発の廃炉や除染の作業員が約4千人も滞在する。3月にまとめた町の復興計画は、そんな「原発事故の収束作業の玄関口」の地の利を生かそうと、JR常磐線の広野駅東側の、津波で被災した約20ヘクタールの再開発を盛り込んだ。原発関連企業や病院、研究機関を誘致する絵を描き、今年度予算で第1次計画分の7ヘクタールの用地買収費約1億円も用意した。
特区法で農地転用の規制が緩められるはずだが、山田基星町長は農林水産省の壁の厚さに憤る。「『津波被災地の転用は柔軟にやる』と農水省の幹部は言うのに、実務をやる出先の農政局はマニュアル通りにしか動かない。農地は自分の領地だと思っているんです」
農地転用の許可が下りないまま、予定地の田んぼは雑草が茂っている。壊れた堤防がそのまま残り、海辺まで一面の荒れ地だ。
復興の取り組みは、各省庁と地元自治体でつくる復興整備協議会の「ワンストップ」で決まる建前だが、そこの「議題」に上がるまでは各省縦割りの「事前協議」が延々と続く。
なぜ優良農地のここなのか、転用で減る代わりの農地は確保できるのか、どんな企業が来て面積はどれくらいいるのか、もっと具体的な計画を出せ――。町の担当者はこの半年余りの農水省との折衝の様子をうんざりして語った。
■農家や牛減ったのに
復興の足かせになっているのが「農地の呪縛」だ。
農水省の「食料・農業・農村基本計画」は、2008年度に41%だった食料自給率を20年度に50%に高め、農地も計画策定時の水準461万ヘクタールを維持することを掲げている。そもそも農地法は優良農地の転用を原則「不許可」としているうえ、09年の法改正では学校など公共目的の農地転用ですら簡単に認めないよう規制を強めた。農地を減らさないのが大原則なのだ。
それゆえ農水省の室賀豊史農村計画課長補佐は、牛や畜産農家が激減した川内村のケースでも「優良農地の牧草地なので、他のところでやれないだろうか」と指摘した。広野町の事例では、駅前再開発の必要性については理解するものの、「計画はぜんぶ『これから』で、もう少し事業計画を固めていただきたい」と熟度を問題視する。
■復興庁さえも
こうしたときの調整役が復興庁の役目なのに、同庁は各省からの出向者の混成部隊で、この問題は農水省出身の前島明成参事官が受け持っている。前島参事官は、川内村には「牛が永久にいないわけではない」と言い、広野町には「転用を許可しても何も建たずに、ぺんぺん草しか生えないというのでは困る」と、親元と同じ言い分を繰り返す。
かたくなな農水省に、自然エネルギー普及の旗を振る経済産業省は困惑している。これから自然エネルギーを増やすには、農地や森林という農水省の縄張りを侵しそうだからだ。経産省の担当官は、農水省側から何度も「農地の転用や保安林の解除はできません」とクギを刺されたと打ち明ける。
■「今だけ」も×
農水省は予防線を張ろうと、「農山漁村の再生可能エネルギー法案」を2月に国会にかけた。「エネルギー自給率を高めても、食料自給率が減っていいのでしょうか」と担当の野津喬課長補佐は疑問を投げかける。自然エネルギーの発電施設は農地ではなく、耕作放棄地に誘導するという。だが、この法案は国会で一度も審議されず、会期末を迎えた。
南相馬市の桜井勝延市長とソフトバンクの孫正義社長は3月、連れだって農水省を訪れ、農地転用しないままメガソーラーを建てられないかと陳情した。除染や復興が進んで営農意欲が回復したら農地として使えばいい。せめてそれまでの間、農地のままで別用途に使えないか、というのである。これなら「農地の維持」という農水省の建前も損なわない。
だが、農水省の回答は「農業目的以外の用途は無理」だった。
南相馬市が8月、営農意欲を調べたところ、「農業をやめたい」「迷っている」という回答が74%もあった。「3・11で大きく変化したのに、それ以前にできたルールが縛っている」と陳情に同席したSBエナジーの藤井宏明副社長は言った。
農家がなくなっても、農水省が守る農地だけは確固として残ってゆく。(大鹿靖明)
(朝日新聞デジタル 10/1)