朝日の野党特集(上)「維新、二つの戦略 既得権敵視・政権と蜜月」

(考・野党 維新はどこへ:上)維新、二つの戦略 既得権敵視・政権と蜜月:朝日新聞デジタル

(引用)
 既成政治への批判を背景に有権者の支持を集める。この政治手法は、米国のトランプ次期大統領に限ったことではない。日本では野党の一つ、日本維新の会が用いてきた。橋下徹氏が引退後も、国政で一定の影響力を持ち、地元大阪で強い支持を受ける。従来の野党とは違うこの党がめざすもの、日本政治に映し出しているものとは何か。

 ■既得権敵視 不満の受け皿に

 <トランプ氏評価> トランプ氏が大統領選に勝利したその日、橋下氏は自身が出演するテレビ番組で取材するためニューヨークにいた。帰国後の22日、プレジデント社発行のメールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」には、こう記している。

 「有権者の応援を受けるには、候補者自身が『強い大きなものと闘う姿勢』を示すことが重要になる。僕が代表だった当時の大阪維新の会の選挙はそこを意識していた。アメリカ大統領選挙もそう。『闘っていた』のは明らかにトランプ氏だった」

 エスタブリッシュメント(既得権層)を敵視して闘い、既成政治に不満を抱く有権者の受け皿となり、大統領の座に就くトランプ氏。その政治手法に自らを重ね合わせているようだ。

 橋下氏が大阪府知事や大阪市長を務めた8年間。日本における「既成政党」である自民党や当時の民主党のほか、自治体職員や労組などを敵視し、強い言葉で攻撃。大阪の有権者の不満の受け皿となった。国政政党としては離合集散があり、橋下氏は引退したとはいえ、維新に集う国会議員は現在も衆参27人。7月の参院選比例区では515万票、得票率9・2%を得るなど健在だ。

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 <「本音で」を強調> 橋下氏とタッグを組んできた維新代表の松井一郎・府知事は9日、トランプ氏と橋下氏との共通点について「建前ではなく本音で、有権者と正面からぶつかっていく。そこはよく似ている」と記者団に強調した。松井氏がこの日に発表した談話では「日本の政党・政治家も既存の永田町政治を根本から見直す必要がある」「率直な言葉で国民に直接語りかける政治姿勢をポピュリズムと非難すべきではない」と主張。他党に比べ、トランプ氏への評価が突出する内容だった。

 ■小池都知事と共通項

 その維新が今、意識しているのが、小池百合子・東京都知事だ。自民党籍はあるが、党推薦を受けずに無党派層の支持を受けて当選。自民の地方組織と戦った「既成政治批判」という共通項がある。

 橋下氏は9月、小池氏との連携に慎重な松井氏に対し、「冷たい対応を取っているように受け取られかねない」とたしなめた。橋下氏はツイッターで「身を切る改革姿勢を示すことで役所改革・補助金改革・予算の大改革・議会改革に繋(つな)がる」と小池氏にエールを送った。

 小池氏は自らの政治塾の講師に招き、橋下氏もいったんは応じた。その後に断ったものの、小池氏は記者会見で「大阪で様々な改革に取り組んでこられた実績があるので『ぶっちゃけた話、その辺、どうなの』と伺いたいと思った」と語った。東京五輪・パラリンピックの調査などをする都政改革本部の特別顧問に、橋下氏のブレーンだった上山信一慶大教授を起用した。

 小池氏にとって正念場となる来夏の都議選。維新は12月に「東京維新塾(仮称)」を立ち上げて候補を養成するが、小池氏と連携できるか見極め、支援候補との「すみ分け」を検討する。競合しては、既成政治に対する有権者の不満をすくいきれないと考えているためだ。

 (山中由睦、矢吹孝文)

 ■政権と蜜月 大阪へ利益誘導

 維新には、もう一つの顔がある。安倍晋三首相、菅義偉官房長官という政権中枢との蜜月であり、大阪への利益誘導だ。

 松井氏は9日、菅氏を訪ね、2025年の招致をめざす大阪万博の基本構想を手渡した。これに先立つ10月30日にもひそかに上京。菅氏とホテルで会食し、万博への全面協力を求めていた。安倍首相は国会で維新の馬場伸幸幹事長の質問に対し「しっかり検討を進める」との答弁で応じた。

 政権にとっても、維新の存在は好都合だ。首相が意欲を燃やす憲法改正に賛成する勢力として計算ができる。首相は維新の片山虎之助共同代表に「維新と憲法改正の必要性、この責任感は共有している」と国会答弁で秋波を送った。

 自民は今国会から、維新の幹事長と国対委員長を交えた会談を始めた。今後も随時開く予定で、野党相手に極めて異例のことだ。

 環太平洋経済連携協定(TPP)の承認案をめぐる衆院の審議が大詰めを迎えた10月21日の会談。自民の二階俊博幹事長は、民進や共産が審議を拒否する中で維新が特別委員会に出席し続けていることに触れ、「これまでの協力に感謝する」と伝えた。

 これに対し、維新の馬場氏は協力を約束した上で、大阪誘致を狙うカジノを含む統合型リゾート(IR)の解禁法案について「道筋を付けてもらいたい」と求め、二階氏も「真剣に受け止める」と応じた。与党が特別委でTPP承認案の採決を強行した11月4日、維新は出席のうえ賛成。野党の一部である維新が採決に応じたことで、「与党単独採決」との批判をかわす口実となった。そして与党は今、IR法案の審議入りをめざして調整している。

 他の野党は「与党の補完勢力でしかない」(民進の蓮舫代表)と批判する。維新の中でも、「既成政治批判」の原点に返らなければ埋没し、有権者の離反を招きかねないとの危機感はあるようだ。維新の法律政策顧問を務める橋下氏は10月の党会合で、議員の国会質問について「プレゼンが長い。質問だから相手の考えを引き出し、違うなら『違う』と言う」と注文をつけた。

 (今野忍、関根慎一)

「大阪へ利益誘導」と書いて
大阪のことしか考えていないと、印象づけたいんでしょうね。

朝日を読んでる無党派層もいるでしょうから、その人達にどう思わせるか…

橋下✕羽鳥の番組「橋下羽鳥の道徳塾」2016.11.28
を観ても感じましたが、朝日は選挙モード(民共応援)に入ってるんでしょうね(-_-;)

さり気なく”維新”をおとしめる、懲りない朝日新聞

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