朝日の野党特集(中)「維新はどこへ:地方議員と国会議員『対等』」

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朝日の野党特集(上)「維新、二つの戦略 既得権敵視・政権と蜜月」
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(考・野党 維新はどこへ:中)地方議員と国会議員「対等」:朝日新聞デジタル

(引用)
 日本維新の会は、橋下徹氏が地元大阪の地域政党から国政政党に発展させた歴史がある。党本部は今も大阪。橋下氏から代表を引き継いだ松井一郎・大阪府知事が国会議員に指南することもしばしばだ。東京中心へのアンチテーゼが背骨だが、地域発ゆえの高い壁にもぶつかっている。

 10月22日夜、大阪市中央区にある党本部で開いた党の意思決定機関の常任役員会。松井氏は渡辺喜美副代表、馬場伸幸幹事長ら国会議員を前に、「いよいよ臨時国会も佳境だ。国民が望んでいるのは審議拒否する姿ではない。決めるべきものはしっかり決めていこう」と発破をかけた。

 常任役員会のメンバーは松井氏と吉村洋文・大阪市長のほか、府議ら地方議員と国会議員が7人ずつの計16人。ほぼ月1回開かれ、国政選挙の公認や国会対策を含めた重要事項を決める。維新の特徴は、首長や地方議員を国会議員と「対等」と位置づけ、国会議員が国会対応も松井氏らの指示で動く点にある。

 今月25日の年金制度改革法案の衆院委員会採決前も、松井氏が馬場氏に、法案に盛り込まれていない地方議員年金の復活には「『絶対に反対する』と討論の場で主張しろ」と指示。河野正美衆院議員が法案への賛成討論で言及した。

 3月に決めた党憲法改正案では、当時大阪府議だった浅田均政調会長が国会議員から意見を集め、採用するかどうかを検討した。参院選は府議が選挙対策を指揮。国会議員らに応援態勢を指示し、警備やビラまきをさせた。

 橋下氏が6年前、大阪都構想を掲げて地域政党「大阪維新の会」として出発。大阪で6割を超える高い支持率を背景に府知事、大阪市長選を制したうえで、都構想に反発する既成政党を揺さぶるために「国政に足をかける」と宣言。国政に挑戦した歴史が、そのまま現行の党運営にも反映されているのだ。

 底流にあるのは、道州制導入や都構想を提唱し続けた橋下氏の「東京一極集中に対するアンチテーゼ」だ。党の体制も壮大な実験の一つといえる。

 都構想の住民投票で敗れはしたが、大阪での支持は依然高く、橋下氏不在で戦った参院選は大阪、兵庫の計7議席中3議席を占め、比例区得票の4分の1を大阪で集めた。松井氏は結果を受けて「大阪での改革は府民から一定の評価をいただいている」と述べた。

 ■大阪・兵庫以外へ浸透、課題

 結党以来の壁は、大阪、兵庫以外の地域にどう浸透していくかという課題だ。

 政務活動費の不正を発端とした6日の富山市議補選(被選挙数13)で、維新は3人を擁立した。浅田氏は「全国で大阪での改革を認知してもらうとっかかりにする」として、公募で地元の元洋食店経営、元郵便局員、農業の3人を選んだ。

 松井氏は告示前の記者会見で「これまでおつきあいのある人がいない地域なので……」と漏らしていたが、自身も応援に入り、「特権をつぶそうというのが日本維新の会だ。だから既存政党に嫌われる」と改革姿勢を強調。3候補とも「政務活動費のゼロからの見直し」「議員定数・報酬の2割削減」を公約に掲げ、うち2人が当選した。

 ただ、こうした成功例は数少ない。維新の政策に詳しい大阪市立大の阿部昌樹教授(法社会学)は「全国政党として広げるなら、『大阪の利益』ではなく、『地方自治を重視する』政党として一般化していかなければならない」と指摘する。

 維新は今後、民進に取って代わる野党第1党を目標にしており、馬場氏は「政権政党をゆくゆくはめざす」と語る。試金石となる次期衆院選は、大阪以外にも各都道府県で最低1人を擁立する方針。しかし、参院選1人区で唯一擁立した奈良では、与党候補、野党統一の民進候補に続く3位で落選。すべてが1人区の衆院選で、勢力図を広げられるほどの妙案は浮かんでいない。(池尻和生、関根慎一)

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