安倍・プーチン会談一色で、誰も見てくれないかもしれませんが…(^_^;)
IR法案が通った朝の朝日新聞
カジノについて3人の意見を紹介しています
1人目:ここでもよく取り上げている「ギャンブル依存症問題を考える会」代表、田中紀子氏のご主人だそうです。田中恵次氏
2人目:(大阪商業大学学長)谷岡一郎氏 氏の書かれた
ギャンブルの確率と期待値を分かりやすく解説しています。これを読んでおけばのめり込みはかなり防げるのでは?と個人的には思っています…
3人目:IR法案参考人質疑で共産党が推薦した鳥畑与一氏(静岡大学人文社会科学部教授)
浅田均議員に突っ込まれた方です。
[日本維新]浅田均「民進・共産推薦参考人のデマレポートを糾す」【参議院・内閣委員会・IR法案・参考人質疑】2016.12.12
どれとどれが載せなかった正論か?お分かりですよね?(^_^;)
これを隠して、カジノだけ叩き続けたんですから…いやはや…
(耕論)カジノがある国 田中恵次さん、谷岡一郎さん、鳥畑与一さん:朝日新聞デジタル
(引用)
ギャンブルはしょせん他人のお金の収奪だ。そんな議論の渦の中、国会でカジノを含むリゾートづくりの推進法が駆け足で議論された。カジノが合法な国。何かいいこと、あるのか。■賭け事に寛容すぎる日本 田中恵次さん(ギャンブル依存症者自助グループメンバー)
物心ついた時から、賭け事が身近にありました。実家では正月に親族が集まると花札が始まりました。高校時代は場外馬券売り場に通い、大学ではパチンコ、パチスロ、競艇にのめり込みました。
カジノにはまったのは20年余り前です。東京の繁華街には当たり前にありました。金を賭けるのは違法なはずなのに、札束をバンバン出しています。内装がキラキラしていてバニーガールもいる。ビールはもちろん、すしの出前や焼き肉弁当もただ。そんなゴージャスな雰囲気に舞い上がってしまいました。
うまくできていると思うのは、ほかの人がいくら賭けているかが分かることです。バカラでもブラックジャックでも1ゲーム2千円から楽しめますが、同じテーブルのあの人は50万円も賭けて、しかも当たった、というのを目の当たりにします。チップがドンと積まれ、動いていくのを見ると感覚がマヒしてきます。
客として通うだけでなくディーラーもやりました。大事なのは客をいかに乗せるか、張らせるか。勝負自体は勝っても負けてもいい。店全体では利益が上がるようになっているのです。ある時、一晩で3万円を1500万円に増やした客がいました。そうなるとほかの客も盛り上がり、売り上げも増えます。その客は以後、バンバン高額を張るようになりました。あっという間に借金だらけになり、仕事もやめてしまいました。
私は自分の店番が終わるとよそのカジノで賭けるという生活を3年続け、心身ともボロボロになって足を洗いました。が、今度は競艇にはまりました。借金で首が回らなくなり、家族に泣きつくということを繰り返しました。10年余り前、医師に「病的賭博」と診断され、わらにもすがるような思いで自助グループにつながりました。
新法に基づくカジノは、楽しくきらびやかに演出されるでしょう。既存のギャンブルに縁のない人も気安く体験でき、はまりこむ人も出てくるはずです。日常に戻ったとき身の回りのギャンブルに手を出す人もいるでしょう。
そもそも日本は賭け事に寛容すぎると感じます。公営ギャンブル、パチンコがあり、宝くじやサッカーくじも簡単に買えます。酒やたばこは未成年が買えないなど社会全体で管理していますが、ギャンブルに関してはザルのようです。カジノを解禁する際には現実を直視し、ギャンブルの管理と依存症対策をしっかりと進めてほしい。
万が一ギャンブル依存症に陥っても、適切な回復プログラムにつながれば、やり直せることを知ってもらいたいです。私自身、自殺を考えたほど苦しかったですが、今は豊かな人生を送れています。笑顔あふれる生活があります。(聞き手・吉沢龍彦)
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たなかけいじ 70年生まれ。会社勤めを経て6年前にアプリ開発会社を設立、社長を務める。妻と子ども2人の4人家族。
■余暇の過ごし方幅広げる 谷岡一郎さん(大阪商業大学学長・教授)
国際会議も旅行もショッピングもできて、家族連れでも1人でも楽しめる「統合型リゾート(IR)」の実現を、長年訴えてきました。今回の議員立法にも、学内の私の同僚が関わっています。
「カジノ法案」と呼ばれましたが、IRとカジノ単体を一緒にされては困るのです。代表的なIRであるラスベガスは、ホテルやレストラン、ショーといったカジノ以外の収益を徐々に増やし、いまや65%を占めます。
海外では会議、企業研修旅行、文化イベントなどを誘致することが経済成長策に直結していますが、日本では少しも意識されていない。東京・有明の国際会議施設は、床面積で世界72位です。20年前はベスト10だったというのに。
アジアなどに持って行かれているものを取り返す、その観光戦略にIRをすえる。それが法案の発想です。
IRには、未知の体験ができて、また来たいと思わせる力があります。そのエンジン役がカジノです。勝っても負けても、またカジノでストレスを解消したいと思う人は、たくさん出てくるはずです。
価値観が多様な現代で、モラルで何かを禁ずるのは正しいとは言えません。余暇もオプションが多い方がいい。自分の自由になるお金で、テーマパークに行く人もいれば、カジノで使う人もいる。それが世界の遊び方です。
これからIRをつくっても国際競争に乗り遅れているという人がいますが、むしろこれまでの施設のいいとこ取りができると私は思います。もともと文化的コンテンツが豊富な国ですから、カジノ以外の施設も充実できます。
海外客は1割以下で、国内客を中心に設計すべきでしょう。とりわけ10万円から100万円を自由に使える層がターゲット。昼も夜も充実した時間にできるIRがあれば、たとえば20年に1回だった大阪での医師たちの会議が10年に1回になる。お金と人の回転がすごく速くなります。
ギャンブル依存症は深刻な問題です。個人の責任にはできません。米国の州では1996年以来、カジノの収益の1%以上を依存症対策に使うという文言が法律に盛り込まれるようになりました。日本の実施法にも、同様のルールを設けるべきです。
国内にはギャンブル依存症の疑いのある人が536万人もいると言われますが、なんら体系的な対策がとられていないのが現状です。パチンコ、競馬など既存のギャンブルは放置されてきました。
海外のカジノには、本人や家族の申告で入店できなくするような仕組みがあります。日本のパチンコにも採り入れたらどうでしょう。ギャンブルがもたらす陰の部分を見て見ぬふりをするのではなく、総合的な対策を考えるときです。(聞き手・村上研志)
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たにおかいちろう 56年生まれ。専門はギャンブル社会学、犯罪学、社会調査論。著書に「ギャンブルフィーヴァー」など。
■経済潤さず社会に悪影響 鳥畑与一さん(静岡大学教授)
カジノが経済を潤すとの発想は幻想です。むしろ、地域経済を壊し、ギャンブル依存症や犯罪とのつながりなどの副作用が大きい。パチンコ、競馬などが広がる日本は既にギャンブル大国です。目先の利益をあてにしたカジノ解禁には反対です。
そもそも、ギャンブルは付加価値を生み出さない、非生産的な営みです。カジノのもうけは、お客の損。ポケットからポケットへのカネの移動でしかありません。
カジノで日本経済を潤すというなら、外国人客を誘致する必要がある。観光がてら小遣い銭で遊ぶような客では想定される経済効果は望めず、巨額を使う中国の富裕層がターゲットになるでしょう。
日本全国12カ所のカジノ開業で年間400億ドル(約4兆6千億円)の収益を生むとする金融機関の予測もありますが、そううまくいくでしょうか。中国経済のかげりで、既存のカジノ収入はとうに頭打ちです。マカオ、シンガポールにはカジノを含む統合型リゾート(IR)があり、韓国でも数カ所で計画中です。東京五輪の頃にはアジアのカジノ市場は飽和状態でしょう。
海外の富裕層を呼ぶには、マカオのように、ジャンケットという仲介業者の存在を認めなければなりません。空港とカジノの送迎をはじめ、客の身の回りの世話をするだけでなく資金も貸してくれます。当然、帰国後には取り立てが待っています。カネの流れの追跡が難しく、犯罪などによる不法収益のマネーロンダリング(資金洗浄)に使われかねません。違法な行為に手を貸さないと勝ち残れないのがカジノの現実です。
安倍首相は国会の党首討論でシンガポールのIRについて「カジノの床面積は全体の3%のみ。ホテル、劇場、ショッピングモール、水族館などがあって家族で楽しめる」と主張しました。まさにそこが問題なのです。IRには派手に飾り立てたカジノの玄関があり、お父さんだけでなくお母さんも若者も好奇心から吸い込まれる。会員制カジノより、たちが悪いのです。
地域の活性化につながるとも思えません。カジノの客は優待割引でIRのホテルや飲食店を使える一方、住民が周辺の店からIRに流れます。
厚生労働省研究班の調査(13年)では、ギャンブル依存症の疑いのある人は536万人、成人全体の4・8%で世界的にも高い。回数、賭け金、継続時間が多いほど依存症になるという研究があります。競馬や競輪であれば開催日に限りがありますが、カジノは24時間、365日営業で賭け金も際限ありません。
実施法により依存症対策の専門機関を設置し、受け入れに際しては、地元議会だけでなく住民投票で決めるよう規定すべきです。(聞き手・桜井泉)
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とりはたよいち 58年生まれ。専門は国際金融論。多重債務問題を研究、海外のカジノを視察してきた。著書に「カジノ幻想」。
鳥畑与一氏
さすがですね。現状の依存症対策には全く触れていません。
批判はしているけど、今の体制には手を付けない。
理想的な御用学者…ですね…(-“-;)
維新 馬場幹事長「カジノへの懸念解消に協力」 | NHKニュース
「国内にはギャンブル依存症に苦しむ人たちがおり、カジノが、現実のものになる前から、対策を急いで進めるべきだ。国会審議で指摘されたカジノに対する数々の懸念が解消できるよう、今後、与党側と協議し、完璧に近い形に法律を作れるよう協力していきたい」