橋下市長インタビュー【「住民投票を」の声、無視できぬ】 3/27付朝日新聞

記事をシェアして頂けると嬉しいです

元記事リンク
http://www.asahi.com/articles/ASG3V4DZSG3VPTIL017.html (全文読む為には無料会員登録が必要)

(引用)
「都構想 話し合いで解決は無理」 橋下市長インタビュー

 出直し大阪市長選で再選された橋下徹市長(大阪維新の会代表)が朝日新聞のインタビューに応じた。大阪市を廃止して特別区に再編する大阪都構想について「話し合いで解決するのは無理だ」と述べ、住民投票で決着をつける意向を改めて強調。橋下氏が目指す秋に実施できなければ来年4月の統一地方選でも争点に掲げる考えを示した。インタビューは25日に行った。

 出直し選では都構想に反対する自民、民主、共産の各党が候補者擁立を見送ったため、投票率は過去最低の23・59%と低迷。大量の無効票も出たが、橋下氏は37万票余りの票を得たことから「住民投票なり統一地方選なりで判断する根拠材料を示してくれ、という民意だ」と分析した。

 住民投票については「日本人には民主主義が根付いていない。本気の住民投票を経験してもらわないと、民主主義は変わらない」と指摘。市民に大阪市の将来のあり方を選択してもらうことで、政治に参加する意識を促す考えだ。

 そのうえで「民主国家の政治家であれば、しっかりした判断材料を提供した上での住民投票を重視すべきだ」とも強調。「議会は直接民主制の補完的な役割で、最終判断の場ではない」と議会を牽制(けんせい)した。

 出直し選は都構想の制度案の絞り込みを拒まれたことから仕掛けたもの。反対した政党からは「対話の放棄」との批判も出るが、橋下氏は「体制変更で市議の身分を奪うのに、話し合いで解決するのは絶対に無理だ」と主張した。

 大阪府議会や大阪市議会の議決が得られず、秋に住民投票ができない場合には、「来年4月の統一地方選で住民にしっかり判断してもらう」と主張。統一地方選で行われる府議選や大阪市議選に都構想の設計図を示し、住民投票にかけることに対する賛否を問う考えを示した。(インタビューに続く…)

関連記事:3/24 橋下大阪市長 市長就任会見 動画

(続き)
橋下徹大阪市長が朝日新聞のインタビューで語った主な内容は次の通り。

 ――出直し市長選の結果をどう受け止めますか。

 「大阪都構想に賛成されたわけではない。でも、住民投票なり統一地方選なりで判断する根拠材料を示してくれ、という民意だととらえた。投票してくれた38万人が『少なくとも住民投票はさせてくれ』という声だとすれば、議会も無視はできないはずだ。今回の再選で議会の構成は変わらないが、都構想の設計図を作る法定協議会のメンバーを代える手法は採れる」

 ――大阪市長選としては過去最低の投票率でした。

 「反対派が立っていないから下がって当たり前。選挙が始まる前に『この選挙は無意味だ。やるべきじゃない』と言うのはいいが、選挙が始まった後に『無意味だ』とか投票し終わった後に『信任を得ていない』というのは、有権者にこんな失礼な話はない。僕への投票はここ何代の大阪市長が得た票よりも多い。メディアは棄権した票を重視するが、選挙は投票された票にこそ価値がある」

 ――住民投票にこだわっていますね。

 「日本人には民主主義が根付いていない。民主主義が国民に根付いていなかったら政治なんて良くならないし、政治が良くならなければ日本も良くならない。住民にも本気の住民投票を経験してもらわないと民主主義は変わらない」

 ――都構想に賛成でなくても、橋下氏を支持するから集まる票もあります。

 「人に投票する選挙で純粋な政策選択はないが、住民投票は明確な政策選択だ。大阪全体に影響ある大きな論点についてこれだけ深掘りして判断するのは大きな意味がある。住民投票の一票の行使で大阪の将来が決まる。こんな究極的な住民投票なんてない。井戸端会議や居酒屋で『都構想が良いと思う』『悪いと思う』という会話が始まれば、僕は成功だと思う」

 ――現状では、住民投票に必要な議会の可決を得ることは難しいです。

 「反対する議員には、民意に対する潔さがない。議員個人の意見として反対でもいい。でも最後は潔く住民投票で決めたらいいじゃないか。僕は弁護士の経験から、最後は第三者に委ねるということが染みついている。弁護士は自分がどれだけ『これだ』と思っていても最後は裁判官に委ねる。政治家は最後は有権者の判断に委ねる。民主国家の政治家であれば、しっかりした判断材料を提供した上での住民投票を重視すべきだ」

 ――話し合いも必要ではありませんか。

 「都構想は市議の身分を奪う話だ。『あなたの身分を奪いますよ』『はい、分かりました』っていう人は絶対にいない。弁護士としての経験で、対話で解決するものとそうでないものの峻別(しゅんべつ)はできる。歴史を振り返っても対話で体制変更をした事例はない。江戸城の無血開城はあったが、明治政府をつくるには鳥羽・伏見の戦いに始まる戊辰戦争をやった。体制変更で身分を奪うのに、話し合いで解決するのは絶対に無理だ」

 ――しかし、議会の議決がないと住民投票は実施できません。

 「僕の意見では直接民主制が民主主義の原則だ。議会は直接民主制の補完的な役割で、直接民主制が後に控えている議会は直接民主制に送るための一つのスクリーニング(ふるい分け)機能。議会が最終判断の場ではない。この場合、住民投票の判断材料に形式的な不備がないかをチェックするのが役割だ。直接民主制が万能じゃないのはわかっている。だが、しっかりした判断材料が存在する住民投票以上に民主主義的な決定方法はない。住民が『自分たちに決めさせろ!』と声を上げ、議会が(住民投票は重要だと)判断して変わってもらうしかない」

 ――夏に都構想の設計図を作り、秋に住民投票というのは早すぎませんか。

 「住民投票の時期をいつにするかは、都構想の原案が議会で可決されてからしっかり考えないといけない。原案可決から1週間や2週間で住民投票というのはありえない。浸透するまでのプロセスと期間を経ないといけない」

 ――来年4月の統一地方選も大きな山場ですか。

 「住民投票ができなければ、来年の統一地方選がある。そこで住民がしっかりと考えて判断してもらうためには、大阪都構想の設計図を今年の夏に何が何でも完成させなければならない。その上での住民投票、または統一地方選こそ日本の地方政治史上、最高の民主主義の場となる」
(聞き手・左古将規、染田屋竜太)(3/27 朝日新聞)

コメント

  1. 匿名 より:

    稲垣えみ子論説委員、情けない。
    夕刊に「不発だった大阪市長選に思う」で「選挙は不発に終わった」ってーー。
    分かってない。
    朝刊を読んでないのか?
    もっと、マトモナ論説が出来ないのか?

  2. 青い惑星地球 より:

    ~武田邦彦ブログより抜粋~
    http://takedanet.com/2014/03/post_04a7.html

    ところで、大阪市長選挙だが、既存政党(自民党など)が対立候補を出さない理由として「選挙に大義がない」と言っている。また中央政界では≪旬は過ぎた≫と、これまたまったく意味不明の発言をマスコミが報道している。

    まず第一に、選挙には常に大義がある。そして選挙をするかしないかの決定は法令で定まっていて、その「法令」は国民の間の合意である。だから、政党や議会は選挙が自分に不都合でも法令に基づく選挙には自分の所見を述べて立候補しなければ、その後の発言権はない。

    もし仮に(これはマスコミの記者が取材で明らかにするようなことだが)、既存政党が「今度の大阪市長選挙は大義がないので、選挙に行かないように」と呼びかけたとしたら(テレビなどでは同じ意味のことを言っている。つまり今回の選挙は無意味だと言っているので、無意味なことをしろと言うのもおかしいからだ)、それは政党を解散しなければならないほどの全体主義思想(自分が正しいという思想)と言える。

    選挙民(市民)が「気分が乗らないから投票に行かない」というのは良いが、政党(公式な政党)が選挙が嫌だから対立候補を出さないというなら、それは民主主義自体の破壊である。

    大阪市議会が「大阪都構想」に賛成しているなら、橋本氏の応援に回り、反対なら対立候補を出すべきだ。今後の議会にもよるが、もし議会が橋下市長に協力しないということになると、大阪市はいったん、民主主義を止め、政党と議会を解散し、あらためて民主主義をやり直さなければならないだろう。

    地方自治が市長(首長)と議会という二重代議員制をとっているのはそれなりの理由がある。市長と議会はお互いの意見を尊重し、意見が対立したからと言って、制度自体を否定するのは不見識だと私は思う。選挙を放棄した政党は、今後、橋下市長に反対することはできない。

トップへ戻る