「大都市制度改革は必要=都構想「分権に反する」の声も」19政令市アンケート調査

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時事通信の調査です。

これは興味深い調査です。
時事通信の狙いしては、「他の政令市は都構想に賛同しない」と言うのを印象付けたかったんでしょう。
実際、回答も狙い通りだったと思われます。

(時事ドットコムより引用)
大都市制度改革は必要=都構想「分権に反する」の声も-19政令市アンケート調査

 大阪都構想を契機に、大阪市を除く全国の19政令市に大都市制度についての見解を時事通信社がアンケート調査したところ、ほとんどが現行制度は改革する必要があると考えていることが明らかとなった。地域の実情に応じた多様な選択肢や、役割に見合う権限と財源を求める意見が多かった。大阪市を特別区に再編する「大阪都」構想については、評価する意見が出た一方、地方分権の流れに反するとの指摘もあった。

 ◇15市が「特別自治市」求める

 調査は2月から3月にかけて実施。全市から回答を受け取った。
 大都市制度改革が必要かどうかについて、18市が明確に「必要」と回答。理由は「現制度では、大都市の役割に応じた十分な権限や財源がない」(仙台市)、「人材的には道府県と変わらないことを踏まえ、(中略)大幅な事務・権限と税財源の移譲を進め、真の分権型社会を実現すべきだ」(岡山市)などが挙がった。この質問などに一括回答し、必要と明示はしなかった札幌市も、現在の制度は「事務配分の特例(権限)に対して税制上の措置(財源)が不十分」と指摘した。

 道府県と政令市間の課題とされる二重行政の解消や、住民サービスの充実などに向け、より適していると思う制度手法として、(1)大阪都構想(2)地方が行うべき事務を一元的に担う「特別自治市」の創設(3)政令市の行政区の権限を強化する「総合区」の導入-の三つの選択肢を「その他」と併せて尋ねたところ、15市が特別自治市と回答。浜松市は「大都市に権限・財源が集約されることで、政策選択の自由度が高まり、自立した都市経営による政策展開が可能となる」と理由を説明した。大阪都構想と総合区導入はどの市も選ばなかった。

 ◇多様な制度を

 新潟市、堺市、熊本市は「その他」と回答。新潟市は「全国一律の制度ではなく、地方自治体が地域の実情に応じて自ら選択できる、多様な大都市制度の創設が必要」との考えを表明し、一括回答の札幌市も同様の見解を示した。

 大阪都構想については、「地方の在り方を見直す一つの方法」(さいたま市)、「大都市制度の実現、二重行政の解消に向けて住民を巻き込んだ議論を起こしている事例と言える」(静岡市)など、評価する意見があった。一方、千葉市は、府と市の役割の整理に取り組む姿勢を評価しながらも「市の権限を府に移すもので、現在の地方分権の流れに反する」と指摘。堺市も「基礎自治体優先の原則に反するとともに、市町村に権限・財源を移譲する地方分権改革とも真逆の考え」と厳しい意見だった。

政令市と大阪都構想への評価一覧
札幌
地域の実情に応じた選択肢が増える点では評価。市の財産、債務承継に課題
仙台
住民の理解を得ながら進めるべきもので、制度論としての十分な議論重要
さいたま
地域の実情に応じた、地方の在り方を見直す一つの方法として評価
千葉
二重行政解消の面は評価。市の権限を府に移すのは分権の流れには反する
横浜
それぞれの地域に合った多様な大都市制度が必要。その趣旨で推進中と理解
川崎
二重行政の解消、住民自治の充実など分権型社会の確立を目指すもの
相模原
二重行政の解消などを目的とする大都市制度改革の手法の一つと認識
新潟
二重行政の解決を目指す方向性は新潟州構想と同じ。自ら選択できる制度を
静岡
大都市制度実現、二重行政解消へ、住民巻き込んだ議論を起こしている事例
浜松
県市の二重行政解消を図る大都市制度改革の取り組みとして評価
名古屋
その地域に合った自治制度を検討していると考える
京都
大阪で議論し、決定されるべきものと考える

基礎自治体優先の原則に反し、地方分権改革とも真逆の考え
神戸
二重行政解消へもう一つの選択肢として特別自治市の制度化が図られるべき
岡山
多様な大都市制度の一つではある
広島
多様な大都市制度の実現に向けた取り組みの一環と捉える
北九州
大都市制度の一つの在り方として、その経緯を注視
福岡
大阪固有の課題への解決策として進められていると認識
熊本
二重行政排除など、大阪府と市が補完し合って行政運営を見直すことは必要
(引用終わり)

しかし、よく考えると、前提がおかしい・・・
「都構想」は、政令市を解体するというもの・・・
現政令市の首長が失職し、職員も区と都に振り分けられる。
現在、関わっている人が「賛成」とは、普通言わないでしょう・・・

道府県の括りでみれば、また違った回答が出てくるはず。
そちらにも回答してもらって、並べるのが意味ある調査だと思います。

それでも、興味深いのは言ったのは、
自らの政令市を無くす、都構想にも賛同する意見が幾つもあった事。

もし、大阪都構想が実現して、大阪が見違えてしまったら・・・
追従する所が、きっと出てくるでしょう。

その下地が、十分あるのが判ったので、調査の意義はあったと思います。

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コメント

  1. 大阪出身千葉県在住者 より:

    素晴らしい洞察ですね。
    確かに複数の政令市が大阪都構想に賛同していることに注目できますね。
    私は都構想が実現した後、いくつかの難所があるかもしれませんが、割と早い将来に、一気に道州制が進むものと確信しております。

    とはいえ長い間、橋下さんの動向を追いかけ続けたからの洞察だと思います。私は橋下さんが府知事時代より注目させて頂いております。いつも大変に有難く閲覧させて頂いております。これからもサイトの運営をよろしくお願い致します。

  2. 名無しさん より:


    基礎自治体優先の原則に反し、地方分権改革とも真逆の考え

    ↑ なるほど?地域の色がハッキリ出てますねぇ(笑)

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