【堺市長選】竹山市長、自治連合会に、ばら撒いた「補助金」と求めた「見返り」

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この演説(9/14堺市長選街頭演説)の中で橋下さんが言っていたので、ビックリして調べてみました。

9/14付朝日新聞の記事より
(中略) (前回選挙で)政党の相乗り支援を批判した竹山が今回の選挙で頼りにするのは、自民、民主、共産の各党と約3千人の共産系の職員組合、そして校区ごとの自治連合会だ。就任直後には補助金の見直しを指示した竹山だが、昨年度から校区ごとの「まちづくり協議会」に最大100万円の補助を始めた。協議会のトップの9割は自治連合会長が務める。

 「10枚くらいだったら何とかなるんちゃうか」。竹山の後援会が6月に開いた政治資金パーティー。後援会から事前に相談を受けた自治連合協議会の幹部は、1校区あたりパーティー券10枚購入の依頼を提案した。振込用紙の入った封筒の束を手に7区の代表者の自宅を回り、各連合会長へ案内を回してもらったという。「強制でもないし、組織的なお願いではない」。後援会の言い分だ…

(以下、全文掲載します)

(引用)
指定市存続か都構想か 堺市長選、地方権力の争奪戦

 政令指定市を残すか、なくすか――。そんな「自治体の存亡」を争点にした選挙戦が大阪の堺市ではじまる。堺市と大阪市の権限と財源をまとめた司令塔をつくる「大阪都構想」。これを進める大阪維新の会と反対する現職市長が、地方権力の争奪戦を繰り広げる。(敬称略)

■現職・竹山陣営 資金集め、動く自治会長

 「中世から続く自治都市、堺を守れ」。15日に告示される堺市長選で、再選をめざす現職市長の竹山修身(おさみ、63)はこう繰り返す。かつて堺は、その豊かさゆえ織田信長や豊臣秀吉に侵略され、明治初期の「堺県」は大阪府に併合された。そしていま、政令指定市の地位を奪われようとしている――。これが「堺のDNA」に訴える竹山のシナリオである。

 竹山は大阪府知事時代の橋下徹(44)の部下だ。4年前の市長選では橋下の全面的な支援を受け、与野党相乗りの現職を破った。しかし、橋下が掲げる大阪都構想に初めて黄信号をともしたのは竹山だ。昨年1月、市長室に集めた幹部職員にこう切り出した。「協議会にいったん入ったら、もう抜けられない」 (続く…)

(続き)
 協議会は大阪府と大阪市、堺市の3者が都構想の制度設計を話し合う場だ。維新は協議会を設置する条例案を府と大阪市の議会に提出しようと準備し、竹山も参加を表明していた。しかし、古巣の府職員から受け取った規約案の中に、竹山は「協議会を構成する自治体の増減は全会一致で」の一文を見つけた。大阪市長の橋下や、大阪府知事で維新幹事長の松井一郎(49)の同意がなければ脱退できない仕組みだ。

 協議会の運営方法に「中央集権的」な意図を感じた竹山は、不参加の方向で議会の根回しに入った。「協議会はアリ地獄」。多くが竹山に同調した。昨年2月、竹山は橋下と松井に不参加を伝える。松井は「有権者に問う」と宣言し、対立は決定的になった。

 政党の相乗り支援を批判した竹山が今回の選挙で頼りにするのは、自民、民主、共産の各党と約3千人の共産系の職員組合、そして校区ごとの自治連合会だ。就任直後には補助金の見直しを指示した竹山だが、昨年度から校区ごとの「まちづくり協議会」に最大100万円の補助を始めた。協議会のトップの9割は自治連合会長が務める。

 「10枚くらいだったら何とかなるんちゃうか」。竹山の後援会が6月に開いた政治資金パーティー。後援会から事前に相談を受けた自治連合協議会の幹部は、1校区あたりパーティー券10枚購入の依頼を提案した。振込用紙の入った封筒の束を手に7区の代表者の自宅を回り、各連合会長へ案内を回してもらったという。「強制でもないし、組織的なお願いではない」。後援会の言い分だ。

 「みなさん方は平成の会合(えごう)衆。堺のことは堺で決める。堺はひとつ」。今月4日の決起集会。会場を埋めた1千人の参加者を、竹山は中世に堺の自治を担った豪商集団になぞらえた。壇上に並んだ自治連合会長らは「ガンバロー」と一斉に声を張り上げた。

■維新・西林陣営 橋下氏、前回の「敵」擁立

 「今回の選挙は竹山さんの裏切りを全面に訴えていきたい」。8月下旬。堺市での初めての街頭演説を前に、橋下は維新の幹部やブレーンに打ち明けた。「大阪都構想で堺の地域も名前もなくならない。なくなるのは堺市長と堺市議会だ」

 橋下は市役所のなれあい体質を目の敵にしてきた。前回の市長選では「堺市は太った馬。もっとむちを入れろ」と与野党が支援する現職を追いやった。一昨年の大阪市長選では「市役所の職員が政治活動をしている。我々が勝った場合、一族郎党がどうなるか覚悟を決めておけ」と迫った。閉塞(へいそく)感が漂う大阪で有権者のルサンチマン(負の感情)に訴える演説は橋下の原動力になってきた。しかし今回、竹山の裏切り批判は党幹部から「暗すぎる」と反対され、封じられた。

 「堺がなくなると聞いたことがある人は?」。今月7日、維新が開いたタウンミーティング。700人近くが手を挙げると、橋下は「僕らを怪獣扱いするような主張に乗らないでください」と理解を求めた。

 争点設定の主導権を竹山陣営に奪われた維新は防戦気味だ。橋下は「むちゃくちゃ厳しい」と12日の記者会見で明かし、幹事長の松井も「明らかな二重行政は堺にはないかもしれない」と歯切れが悪い。

 大阪府と大阪市は先月、都構想の設計図を発表した。特別区の数によっては職員数が逆に増えるケースもあり、統合効果は思うように積み上がっていない。

 「この数字では突っ込まれる。経済波及効果のようなものを有識者に入ってもらい検討してもらおう」

 発表を控えた7月末の打ち合わせ。橋下は事務方に指示したが、「今からは無理や」と知事の松井に止められた。いま橋下は「大阪都にして大阪でもオリンピックを開けるようにしましょう」と呼びかける。

 そうしたなか、維新陣営は「都になれば9兆円の財布」と訴える。公約には次世代型路面電車(LRT)の新設や市役所前の再開発事業がずらりと並ぶ。

 その政策を、やりきれない思いで見つめる人物がいる。4年前の市長選で橋下に倒された前市長の木原敬介(73)。堺市を全国15番目の政令指定市に引き上げた立役者だ。橋下も当初は「自治体トップの神様」と持ち上げていた。今回、維新が擁立する西林克敏(43)や選対本部長の馬場伸幸(48)は当時、自民市議として木原を支援し、橋下と対決した。維新の公約に並ぶ開発事業は、4年前まで木原が進めていた政策の復活でもある。

 橋下に引きずり下ろされた木原は振り返る。「なぜ橋下さんにあそこまで目の敵にされたのか、今でもわからない」

     ◇

 〈大阪都構想〉 大阪市の橋下徹市長が大阪府知事時代の2010年に提唱。広域行政に関する大阪市と堺市の権限と財源を大阪府に統合して「大阪都」とし、両市を廃止して特別区に再編する。府と大阪市が15年春の実現をめざして制度設計を進める。来年秋にも大阪市民の住民投票を実施し、過半数の賛成を得られれば実現が決まる。堺市は協議に加わっていない。 (引用ここまで)

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