「トランプ現象は橋下徹と同じ分断を煽る選挙戦術」いわゆるインテリ層の分析…自称リベラルの慰め合い?(朝日新聞)

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(論壇時評)トランプ現象 合意より分断、悪循環生む 歴史社会学者・小熊英二:朝日新聞デジタル

(引用)
 9月に全米10大学で講演した。知識人達は「周りにトランプ支持者なんて誰もいない」「ヒラリーが勝つだろう」と言っていた。大学では「多様性」が合言葉で、確かに肌の色や出身国の多様性はあったが、当然ながらみな高学歴だった。私は「これは危ないな」と思った。

 今回の大統領選では階層・人種・居住地など様々な分断が露呈した。グローバル化で没落した中西部の低学歴白人男性に、トランプ支持が多いともいう。選挙予測が外れたのは、専門家がこうした分断を軽視したためだともいわれる。

 だが、そうした分断が知られていなかったわけではない。日本でも2年前、週刊東洋経済の特集「分裂する大国アメリカ」は、深刻な経済格差と様々な分断を伝えていた〈1〉。だが当時は、まさに分断が深いがゆえに、トランプの勝利はないだろうと考えられていたのである。

 2年前に次期大統領候補として挙がっていたのは、女性だが軍事に強いヒラリー・クリントン、共和党だが妻がメキシコ系のジェブ・ブッシュなどだった。他の候補も、政策では穏健保守で属性ではマイノリティーという人が多かった。なぜかといえば、米国は社会の分断が激しいがゆえに、そうした候補しか当選できないと考えられていたからだ。

 実際に2012年の大統領選で、共和党のロムニー候補は出口調査で白人票の59%を得たが敗北した。翌年3月に共和党が発表した分析は、多様な有権者を取り込む必要を述べていた〈2〉。その観点からすれば、社会の分断を煽(あお)るトランプが勝てるはずはなかった。

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 なぜトランプは勝ったのか。現段階で言える範囲の私見を述べてみたい。

 まだ集計中だが、トランプの総得票数はクリントンより少なく、12年のロムニーと大差はない。投票率も顕著に高いとはいえないようだ。少ない票で効果的に各州の選挙人を獲得したといえる。

 またトランプ支持者は「低所得の白人男性」に限らなかった。米CNNの出口調査では、トランプ票は中所得以上に多く、大卒も少なくない。階層は低くないが、アメリカ社会が悪くなったと考える人がトランプに投票した。

 この二つから、トランプ勝利の最大の背景は政治不信だと考えられる。政治不信が、過熱報道ほどには盛り上がらない投票と、幅広い階層の「反クリントン票」となって表れたのだ。「トランプ氏の勝利というよりクリントン氏の敗北」という山口二郎の指摘は妥当と思われる〈3〉。

 実は米国の政治不信は以前からだ。14年の連邦議会選挙の投票率は36%の低さだ。内外の課題が山積なのに、二大政党の対立と非難合戦で政治が動かず、連邦議会の支持率は10%台前半まで落ちていた〈4〉。「嫌われ者の対決」といわれた今回の選挙はその延長上である。経済格差は重要な背景だが、現状に無策な政治への不信の方がずっと広範なのだ。

 投票率低下と政治不信は日本でも共通だ。トランプはSNSを活用して対立を煽り、米国のテレビは暴言を連発する彼を映して視聴率を伸ばしたが、橋下徹・前大阪市長はこうしたトランプの手法に理解を示している〈5〉。選挙後に「日本維新の会」の松井一郎代表は、「率直な言葉で国民に直接語りかける政治姿勢を、一概にポピュリズムと非難すべきではない」とコメントした〈6〉。

 橋下が台頭した背景には、大阪経済の停滞があった。米国では「都市と中西部の分断」として表れたグローバル化の影響は、日本では「東京一極集中」として表れる。そして松谷満の調査では、低所得の非正規労働者に橋下支持が多いというのは俗説で、むしろ管理職や正社員に支持が多く、政治不信や官僚不信との連関が強いという〈7〉。

 社会に格差や分断があるとき、それへの不満が選挙で表れる。そのこと自体は否定すべきではない。だがそうした不満や不信が、分断を煽る形で表現されるのは問題だ。なぜなら選挙は社会に合意を創(つく)る手段であって、分断を助長して選挙に勝つのは本末転倒であるからだ。

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 実は人種や階級の分断を助長して選挙に勝つ戦術は、南部白人票を狙った70年代以降のアメリカ共和党や、イングランド中産層を狙った80年代のイギリス保守党などがとったものだ。とくに投票率が低下すると、少数でも熱心な有権者をつかむ戦術が有効なことがある。だがそれは、さらなる分断、政治不信、投票率の低下という悪循環を生む。

 そのうえトランプの特徴は、敵を攻撃する際の派手さとは対照的に、自分の支持者像が極めて曖昧(あいまい)であることだ〈8〉。なぜなら、敵を攻撃することで広範な人々を糾合しているだけで、明確な支持層などないからだ。こうした政治家は、次々と敵を作って戦いを演出するだけで、明確な方針を持たないことが多い。

 またこうした戦術は、その国の国際的威信を低下させ、他国の政治にも悪影響を与える。「トランプの勝利は、アメリカのイメージを粉々に破壊した」というインド国会議員の言葉、「アジアも影響を受けるに違いない。これから世界で何が起こるのか、不安でたまらない」というシンガポールのタクシー運転手の言葉は、それを象徴している〈9〉。

 20世紀に始まった普通選挙と政党政治の時代は、曲がり角を迎えている。その一方で社会の合意を創る必要は、かつてないほど高まっている。分断を煽る選挙戦術は、未来を拓(ひら)く道ではない。

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〈1〉特集「分裂する大国アメリカ」(週刊東洋経済2014年11月1日号)

〈2〉グレン・S・フクシマ「トランプはなぜ日本嫌いなのか」(中央公論8月号)

〈3〉山口二郎「民主主義政治の劣化が世界的に拡大している」(週刊東洋経済11月26日号)

〈4〉前嶋和弘「選挙からみえるアメリカの変化」(外交37号)

〈5〉Eric Johnston“Don’t rule out a Trump-style revolt against Tokyo”(The Japan Times11月20日、英文)

〈6〉記事「与野党衝撃『未知数 魅力か』」(本紙11月10日朝刊)

〈7〉松谷満「誰が橋下を支持しているのか」(世界12年7月号)

〈8〉マイケル・カジン「アメリカにおけるポピュリズムの歴史」(フォーリン・アフェアーズ・リポート11月号)

〈9〉シャシ・タルル「ソフトパワー超大国の終焉(しゅうえん)」(ニューズウィーク日本版11月22日号)/矢野暁「大統領選で再認識 米国はもはやアジアの憧れでも手本でもない」(週刊ダイヤモンド11月26日号)

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 おぐま・えいじ 1962年生まれ。慶応大学教授。『生きて帰ってきた男』(小林秀雄賞)など著書多数。

自称リベラルの方たちが、如何に自分に都合の良い情報にしか接していないか…
よく分かりますね(-_-;)
選挙後、あれだけネットで一般のテレビでも、色んな方が情報を出しているのに見てないんでしょうか??

結果論から始まって、いわゆる橋下現象と同じと断定して…

何なんだ!この薄っぺらさ!

でもこれが、朝日の購読層の求めてる「慰め」なんでしょうね…

橋下さんが政治不信から分断を煽って選挙に勝ったって言うけど、

なぜ、大阪での選挙、投票率が未だに高いレベルを維持しているのか?
なぜ、維新登場以降、大阪では自民・民進の衰退が止まらないのか?

説明できますか?

(自分で言うのもアレですが…)
半年前に書いたこの記事
(米大統領選)遂に、共和党候補「指名確実」にドナルド・トランプ氏。そのドキュメンタリー番組に「大阪」を見た!?
の方がマシだと思いますよ!

小熊英二氏
【コラム】「選挙に頼れない今、対話を」 小熊英二
で、3年前記事にしました。良い指摘だったんですよ…

この時は、朝日に単発で書かれた記事でした。

しかし、今年の春から定期的に朝日で記事を書くようになりました。

そしたら、これだもんね…
自称リベラルとは、一味違うかもって思ってたのに…ガックリ_| ̄|○

橋下徹NY現地報告「なぜトランプ氏が勝ったのか? 政治家の経験を基に、その辺の学者とは違う分析をします!」 | プレジデントオンライン | PRESIDENT Online

橋下氏 トランプ次期大統領に関する動画、ツイッター まとめ
祝トランプ新大統領祝勝会・木村太郎・藤井厳喜「ニュース女子」2016.11.21

コメント

  1. 匿名 より:

    今回トランプ氏の勝利で、比較的マシかなぁと思ってたリベラルや保守の文句言うだけの方々は揃って醜態晒してますからね
    人間、自分の食い扶持の危機となるとこうなるんですよ
    大阪の自民と一緒ですわ

  2. 椿 より:

    私は、大阪都構想の住民投票の時になって、
    橋下さんが、舌鋒鋭い橋下流を引っ込めて、
    「保守的な戦い」=「お上品な戦い」に切り替えたのが、
    少し戦い方をトーンダウンしたのが、
    敗因の一因だったんじゃないのかな?って思ってます。

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